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愛ある仕事
月曜日音楽院の学長に頼まれて先日残念ながら亡くなられた学長の親友で
オ-ストリアのプロサッカ-チ-ムRapidの元選手で最近までコ-チを務めていた方の埋葬セレモニ-で
アベマリアを歌ってきました。
私達音楽家の仕事はコンサ―トや劇場での公演ばかりではなく
こういったセレモニ-での演奏といぅお仕事もあります。
セレモニ-にもいろいろあって結婚式やバ-スデ-、洗礼式などの喜ばしいものもあれば
こういった帰天された方の魂を送り出すといぅ物もあります。
今回帰天された方がギリシャ人であったといぅ事から
ギリシャ人の司教様がミサをあげられました。
ギリシャ正教なのでしょうか・・・?(あまり詳しくありませんが・・・)
初めてみるこのミサにちょっと驚いてしまいました。
それは司教さんが3人いたといぅ事。
そしてその方々の声質がテノ-ル、バリトン、バスと3声に分かれていたといぅ事、
更にこのミサは最初から最後まで歌って進められたといぅ事・・・。
この日音楽家は私以外にブルガリア人のバイオリニストとサラエボ歌劇場の指揮者(この日はオルガン奏者として来てました)
そしてギリシャ音楽を演奏したギタリスト件歌手の女性とマンドリン奏者。
セレモニ-の合間に司教の合図で我々が音楽を演奏し約30分ほどのミサが終了しました。
オルガンは教会の後部2階にあり、我々は皆さんの様子を上から見下ろす形です。
式が終ると4人の男性が棺を担ぎ埋葬場所へと歩いて運んでいきます。
ここで皆がお花を投げ入れたり、土をかけたりして最後のお別れをするわけです。
結構このあと時間がかかるので学長を待つ間、演奏者同士でおしゃべりをしていました。
すると若いバイオリニストが
「いや~こういぅセレモニ-で弾くのは実は初めてなんだけど、
僕は苦手だな・・・」
と他の方々も
「結婚式や洗礼式は演奏しやすいけどね・・・・」
と・・・。
するとそこでサラエボオペラ座の指揮者が
「僕は違う見方だな・・・。
僕は今オルガンの前に座りながらずっとなくなった彼の魂に語りかけてたんだ。
そして僕は彼の魂のためにオルガンを弾いた・・・」
と。
自分自身サラエボからオ-ストリアに亡命してきて、
自分の国が大変なことになっていた時いやといぅほど苦しく悲しい思いをしてきた方です。
多くの別れも経験してきたようです。
人間の深い悲しみを知っている人は他の人以上に優しく愛深いと感じます。
彼の一言に若いバイオリニストは
「あなたの思いは素晴らしい・・・」
とこの彼も素直にその優しさ、思いに感動し、すぐに同意していました。
こんな風に愛の思いを持って仕事に向かっている人と接すると
私の魂も非常に大きなぬくもりを感じます。
彼の伴奏で歌わせていただいて光栄でした。
これと付随する話で、
数日前私の歌の師匠の招待で数人でイタリアンレストランへ行ったときのお話し。
彼女の生徒でオペラ座で歌っているソプラノ歌手がいるのですが
彼女がここ数ヶ月とても落ち込んでいてその彼女を別人のように変えたその過程のお話をしてくださいました。
彼女はその昔あちらこちらの劇場で主役級の仕事をバリバリこなしていた
素晴らしい歌手でもちろん自分の仕事にとても誇りをもっている人です。
その彼女がウイ-ン国立歌劇場でオ-ディションに合格しソリストとして契約したまでは本当に絵に描いたようでした。
が彼女がこの大舞台でもらう役は主役級ではなく小さな役で、演目によっては数小節しか歌うところがなかったり・・・。
私だったら大劇場でソロを歌うなんて凄い~って自分だったら大満足だろうと思うのですが
彼女は今まで主役を張ってきたといぅ誇りがどうしても邪魔をして苦痛でしかなかったようです。
それでこの契約を解除したいとまで言い出して
そこで我が師匠が乗り出したわけです。
彼女は「もしあなたの歌う歌詞がたった5文字だったとしても、その5文字に全魂を注ぎ黄金の5文字に変えるべきだ。
その5文字を歌う瞬間あなたの周りに光が溢れるほどにその役柄を演じきりたった1分でも2分でも
全力を尽くすのが本物の歌手だ!」
と言ったそうです。
この師匠のアドバイスのあと彼女はこの数小節を歌うために本番前に師匠の所にやってきて
ヴォイストレーニングをしすべての歌詞を彼女とさらいなおし
本番に挑んだそうです。
この日その彼女も来ていたのですが彼女がとあるFaxを彼女に手渡し、
「あなたが私に教えてくれた魂ある仕事、愛ある仕事・・・・一生忘れません」
と言って彼女に抱きつきました。
それは他劇場(これも大劇場です)からの契約証でした。
偶然なのかそれとも彼女の思いが変わったことへのご褒美だったのか・・・
私は大変素晴らしい学びをさせていただきました。
どのような思いで仕事をするのか・・・?
自分の欲のため?
名誉のため?
それとも他の人の幸福のため?
愛ある仕事をするといぅ事の大切さを教えてくれた師達のお話でした・・・。
NoTitle
こんばんはー。
帰天という言葉は癒されますよね。
人は空から降りてきて 空に帰っていくのでしょうか。
人が一生を終えるとき、って悲しいことではないんでしょうか。仲良しのお隣の人が引っ越してしまったみたいに
残された人が寂しいんですよね。時がきて自分も天に帰る日がきたらまた会えると思えば
明日も生きられるんでしょうね。 なーんちゃって。
(;;)ホロ リ
うわっ 私 夜モードだわ
一瞬の蒲焼 あ まちがえた 輝きのために
明日も (*^_^*)自然体で生きようっと。
おやすみーーーー